創作小話『小さな科学的間違いを見逃してくれと言った者』

 科学的に間違ったブログ記事を書いたAさんは、苛烈なニセ科学批判者に発見されたので、お願いしました。
 「この記事は、ほんの小さな間違いしか含まれていません」
 「近い将来に、もっと大きな間違いが含まれた記事を書くと思いますので、今回は見逃してください」

 苛烈なニセ科学批判者は答えました。
 「あなたが近い将来に大間違いの記事を書くというのは、ありそうな話です」
 「というわけで、あなたの科学的な間違いが小さい今のうちに、徹底的に批判して正しておきます」

 【教訓】この話は、ニセ科学が社会に広くはびこる前の小さな芽の状態で摘んでおけば、ニセ科学批判の労力が比較的すくなくて済むという現実を明らかにしています。

ネタのお言葉『われ、日に我がdisを三省す』

 この言葉は、あの「吾日に我が身を三省す」の罵倒芸版である。
 【意訳】
 私は、ネット上の他所の議論に参加したあと、投稿したdisコメントの内容を3つチェックしている。
 『チェック、その1
 他の論者たちの利益になるdisを述べていたか。
 自分ひとりで満足するような、孤独なdisを述べたりしていなかったか。

 『チェック、その2
 とにかくdisってあげたいという気持ちが強いあまり、わら人形論法まで無意識に披露していなかったか。

 「なんとなく、自分の主張が不利っぽいような?」と感じた際に、論点のすり替えを実行して、
 本題をうやむやにして、議論を無理やりイーブンで終わらせて、しばらく時が経った頃に勝利宣言してドヤ顔を決めて、
 事情を知っている人たちを椅子からずっこけさせていなかったか。

 『チェック、その3
 科学の知識が少ないにもかかわらず、知ったかぶりでニセ科学批判者たちの主張にいっちょ噛みしていなかったか。

 「諸君の説は間違っている、正しくは次のとおり」と述べたあと、
 正しくない説を提示して、ニセ科学批判者たちを「なにがしたいねん……(゜o゜)」とさせたりしなかったか。

 ニセ科学批判者たちから、
 「ブルーバックスを一冊読んだだけで進化論の専門家たちにダメ出しするなんて、さすがに勇み足が過ぎるのでは?」
 と指摘されると、
 「この専門バカどもめが」
 「主流の科学を鵜呑みに信じている権威主義者どもめが」
 「私の自分流の進化論のすごさを理解できない思考停止どもめが」
 「人を思いやることのできない冷血漢どもめが」
 「論破に追い込まれたので人格攻撃を繰り出して話を逸らそうとしている私に思いやりのある優しい言葉使いをしろ」
 と返事して、聴衆から、
 「科学的な議論ができない人、それ以前に、誠実な議論ができない人」
 という評を下されたりしていなかったか。

 以上の3つをチェックして問題がなければ、おおよそまともなdisコメントが実施できたと判断してよい。
 【意訳、おわり】
 そのように曾子はdisを三省していた。

ネタのお言葉『知ったかぶりに終始、大概にしろという顔あり』

 この言葉は、あの「十五夜望月」(じゅうごやつきをのぞむ)のニセ科学批判版である。
 【意訳】
 中途半端な知識しか持っていないニセ科学批判批判者が、訳知り顔でニセ科学批判者たちの議論に絡む。

 自分は怜悧な者だと声を出し、他の者たちを軽薄ばかりと見下ろす。

 勝利を目指して詰めの演説を一通りぶつも、

 知ったかぶりはまったく隠せておらず、聴衆は大概にしてくれという顔を見せて去った。 
 【意訳、おわり】
 そのように王建はネット上の議論を眺めていた。