これは、あの「夏日田園雑興」(かじつでんえんざっきょう)の ニセ科学批判版である。
【意訳】
ニセ科学批判ブログを開設した当初、私の文章は緊張気味だったが、最近は幾ばくか鷹揚な雰囲気を出せるようになった。
共感してくれる読者も増え、私が科学的にダメな説を吐い時などは、受け流すことなく批判を返してくれる。
そのために、自ブログが災禍にまみれて神経をすり減らすような事態も稀という、幸せな日々のネット人生である。
その幸せに浸っていたある日の朝、ふと、「私がニセ科学批判者に転向するまで閲覧していたあのニセ科学擁護者のブログは、どうなっているだろうか」という思いが頭をよぎった。
その日の夕方、久しぶりにそのニセ科学擁護者のブログを訪れると、あれほど居た支持者たちの姿が見えなくなっていた。
ただブログ主は健在であり、以前にも増して摩訶不思議な説を声高に叫んでいた。
「ええい、私の『罵倒芸イオン実在説』に対して無視を決め込んでいるきくまこ一派め、これから十数年にわたってネガティブキャンペーンをブイブイ云わしてやるぞ」
しばし清聴していたものの、「到底リラックスできる説ではない」と判断した私は、飛ぶような勢いで自ブログに戻った。
【意訳、おわり】
そのように范成大(はんせいだい)は夏日の田園で語っている。