ネタのお言葉『disの唇閉じて歯がかゆし』

 この言葉は、あの「唇亡びて歯寒し」の罵倒芸版である。
 【なりたち
 苛烈な罵倒芸ブロガーであるAさんが、副管理人のBさんと、普通の罵倒芸ブロガーであるCさんとDさんの三人を引き連れて、穏健派の罵倒芸ブロガーであるEさんをdisり倒そうと準備していました。

 その脇でCさんとDさんは、密かに不安を募らせていました。
 「Eさんがdisり倒されたあとは、我々が標的となるのではないか?」
 『たしかに、日頃から誰彼かまわず噛み付いているAさんならば、あり得る話だな』
 「そうなる前に、我々でAさんをdisり倒しておくべきではないか?」
 『うむ、disられる前にdisれということだな』

 不穏な雰囲気に気づいたBさんは、Aさんに忠告しました。
 「CさんとDさんが疑心暗鬼になっています」
 「これを払拭するために、Eさんをdisる行為はすべてCさんとDさんに任せると宣言してください」
 「そうすれば、CさんとDさんはAさんの器の大きさに感激して固い支持を約束してくれます」

 しかし、Aさんは断りました。
 「disの言葉を我慢して述べない罵倒芸の論者は、歯がむっちゃかゆくなって、三日三晩まともに寝られなくなると私は聞いている」
 「ゆえに、私のdisる権利をCさんとDさんにすべて譲れというBさんの提案は、間違っているという理屈になる」

 それを聞いたBさんは、「事は決した。このままでは私も巻き添えになる」と判断して、副管理人の地位を返上してネットの果てにある竹林に身を隠しました。

 その翌日、CさんとDさんはAさんのブログに乗り込んでdisのコメントを投稿しました。
 不意を突かれたAさんは有効な反論ができず、完全論破に追い込まれました。
 それを見た愛読者たちは失望して去り、Aさん自身も、「苛烈な罵倒芸で名を馳せてきた私だ、いまさら過疎ブロガーの身など耐えられない」と言ってネット上から消えました。
 【なりたち、終わり
 なお、一部の研究者は、「唇亡びて歯寒し」という言葉も元を辿れば「disの唇閉じて歯がかゆし」に行き着くと考えている。長い時が経つうちに罵倒芸のくだりが省略されてしまったのだという。