ニセ科学批判批判者であるAさんが、自ブログで主張しました。
「ネット上で公開されている数多のニセ科学批判的な記事を調べたところ、」
「良いニセ科学批判に比べてダメなニセ科学批判のほうが、50倍も多かった」
「これは遺憾な状況であり、世のニセ科学批判者たちは一斉に反省したまえ」
ニセ科学批判者たちが現れて言いました。
「興味がありますので、具体的なデータを教えてください」
Aさんは反論しました。
「具体的なデータを示す義務は、諸君にある」
「立証責任の転嫁ではない」
それを聞いたニセ科学批判者たちは、
「まともな議論ができない相手のようだ、かかわるだけ時間の無駄だ」
と判断して去りました。
その後ろ姿を確認したうえで、Aさんは勝利宣言しました。
「あの者たちは反論もせずに帰っていった」
「ゆえに、私の主張は正しかったという理屈になる」
数日後、納得しきれない一人のニセ科学批判者が現れて、再び具体的なデータの提示を求めてきました。
Aさんは、
「それは貴公の仕事である」
と言ってあげましたが、ニセ科学批判者はしつこく食い下がりました。
Aさんは、しばらく相手をしてあげましたが、
「立証責任の転嫁で頑張るのも飽きてきた」
と思い、タネ明かししました。
「私の好みを基準として、」
『あれは良いニセ科学批判の記事だな』
『これはダメなニセ科学批判の記事だな』
「と選別していると、良いニセ科学批判の記事が1本、ダメなニセ科学批判の記事が50本となった」
「しかもこれは、私の個人的な観測範囲内に限った話であり、」
「観測範囲外にあるニセ科学批判の記事については一つも実態を知らない」
「これで貴公の疑問は解決した、あとは帰るのみである」
ニセ科学批判者は、帰らずに言いました。
「そのことをブログの記事に追記してください」
「そうすれば他のニセ科学批判者たちも、」
『なるほど、50倍とはAさんの好み次第の値だったのですねって、なんじゃそら!?』
「とリアクションしてくれます」
これを聞いたAさんは、
「一読者の分際で私に指図するとは何事か」
と不満を覚え、ニセ科学批判者をブロックしました。
【教訓】この話は、立証責任の転嫁を続けていると事態がますますややこしい方向に進んで不満な思いが強まるばかりという現実を明らかにしています。