創作小話『温和なニセ科学批判者に憧れた者』

 そのニセ科学批判批判者であるAさんは、「温和なニセ科学批判者であるBさんがニセ科学擁護者であるCさんの説得に成功した場面」を目撃しました。

 Aさんは、感心して言いました。
 「見事な手際だ。僕も、温和なニセ科学批判者になりたいな」

 そこでAさんは、Bさんに弟子入りして修行し、いよいよニセ科学擁護者であるDさんとの対話に臨みました。

 しばらく遣り取りを行った後、もう少しでDさんを説得できるという段になったとき、「苛烈なニセ科学批判者」が横から現れました。
 苛烈なニセ科学批判者は、Dさんの科学的に間違った言論を徹底的に修正しました。

 それを見たAさんは、激怒しました。
 「そんな冷徹な態度は、やめるべきだ!」
 「もっと、ニセ科学擁護者の心情に寄り添って、暖かく対話するべきなんだ!」
 「これだから、世のすべてのニセ科学批判者たちは、駄目なんだ!」

 『教訓:この話は、ニセ科学批判批判に慣れ親しんだ人の場合、ニセ科学批判批判者であることを簡単にやめることができないという現実を明らかにしています』