創作小話『自分の間違いを認めたニセ科学批判ブロガー』

 そのニセ科学批判ブロガーであるAさんは、科学素人のブログに乗り込んで批判しました。
 「あなたのブログ記事は、科学的に間違っているものばかりです」
 「それなのに、あなたは『自分は科学の素人だから』と言って、自己弁護に終始しています」
 「そのような言い訳は、科学の世界では通用しません」

 「ニセ科学を頑なに擁護するあなたには、もはやネット上で意見表明する資格などありません」
 「ブログを閉鎖してください、今すぐに閉鎖してください」
 「いつまでもニセ科学的な記事をネット上に残されるのは迷惑です」

 Aさんの支持者たちは、その舌鋒に感心しました。
 「今日もまた、Aさんはニセ科学的な言説を修正してくれた。頼れる存在だ」

 その数日後、Aさんは自ブログで「サニャック効果」を説明している際に、間違って「コニャック効果」と言いました。
 Aさんは、慌てて言い直そうとしました。
 またも間違って、「ニャントロ効果」と言いました。

 その後もAさんは、間違って「ニャンザピテクス効果」と言ったり、間違って「ニャニがニャンだーニャンダーかめん効果」と言いました。

 何度も間違えたAさんは、しばらく黙考することにしました。
 支持者たちは、Aさんの発言を注目して待ちました。
 プレッシャーを感じたAさんは、何とか名言をひねり出そうとしました。
 「……言い間違えても良いのではないか? ブロガーだって、人間だもの?」

 それを聞いた支持者たちは、一瞬リアクションがとまりました。
 Aさんは、「まずい、失敗したか?」と焦りました。

 やがて支持者たちは、感心して言いました。「さすがはAさんだ、相田みつおさんのお言葉を、ブロガー的にアレンジしたのだ」
 Aさんは、安堵しました。(完)