創作小話『温和なニセ科学批判者と、詰問調のニセ科学批判者』

 あるニセ科学擁護者が、駄目すぎる説をブログ上で披露しました。
 それを見た温和なニセ科学批判者であるAさんは、
 「相手の心情に寄り添うこと。科学リテラシーが低い人の気持ちを、分かってあげること」
 と心の中で呟きつつ、優しい語り口調で説得を試みました。

 その途中で、別のニセ科学批判者であるBさんが現れました。
 Bさんは、詰問調のコメントをニセ科学擁護者に向かって述べ続けました。

 見かねたAさんは、Bさんに苦言を呈しました。
 「そのような詰問調は、ブロガーさまの反発を招くばかりです。傍観している読者たちも、快くは思わないでしょう」

 傍観していた読者たちは、口々に感想を述べました。

 Cさん:「Bさんの切れ味鋭い芸風、好きですねえ」

 Dさん:「それに比べて、Aさんの芸風は野暮ったいですねえ。見ていて、イライラしますねえ」

 Eさん:「そのとおりである。傍観者の我輩は、駄目すぎる説をネット上で公開してドヤ顔を決めるニセ科学擁護者と、詰問調のBさんによるdisり合いを見たいのである」

 Fさん:「温和な対話しか提示できないAさんは、今すぐに議論の場から退場して、樫の木の枝にぶら下がってルナコーンの名言でも暗唱していろ」

 それを聞いたAさんは、世の不明を嘆いて引退を表明し、ネットの果てにある竹林に身を隠しました。

 【教訓】この話は、当然と思っている自分の認識が世間の認識とズレてしまう場合がネット上の議論の場では多々起きるという現実を明らかにしています。