三人のニセ科学批判者が、昼寝をするために草原の丘を目指して家を出発しました。
途中の橋がかかっている場所に、迂遠な話を得意とするトロ-ルが居ました。
「こんにちは。私は、いついかなる議論の場においても、絶対的な傍観者という立ち位置を堅持してコメントする者です」
「というわけで、今からあいまいで抽象的な前フリを長々と述べたあと、結論に一般論を提示して締めくくります」
「その結果、あなたは消耗感におそわれます」
それを聞いた一人目のニセ科学批判者は、言いました。
「この私は、相手の心情に寄り添うことを大事にする穏健タイプのニセ科学批判者ですから、消耗どころか同情の気持ちが起きます」
「あとから来る人に、聞かせてあげたらどうですか」
「手応えがあるかもしれませんよ」
二人目のニセ科学批判者も、同じようなことを言いました。
「私は普通のニセ科学批判者ですから、普通に聞くことしかできません」
「あとから来る人ならば、手応えがあるでしょう」
三人目は苛烈なニセ科学批判者だったので、トロ-ルの言説を徹底的に修正して退けました。
こうして三人は、草原の丘でたっぷりと昼寝をすることができました。
(この小話は、次の記事を読んだあとで作りました)
三びきのやぎのがらがらどん - Wikipedia