創作小話『中立の傍観者を名乗って銭をもうけたニセ科学推進者』

 流れのニセ科学推進者が、ある村を訪れてインチキ商売を始めようとしました。

 しかし、村にはニセ科学批判者たちが居たので、「このままでは邪魔されて失敗に終わる」と考えたニセ科学推進者は、
 中立の傍観者を名乗り、ニセ科学批判者たちに対するネガティブキャンペーンを実行しました。
 「現代科学の常識も絶対ではありません」
 「未来のどこかの時点で新事実が発見されて、既存の科学事実が否定される可能性もゼロではありません」
 「ニセ科学批判者たちの言っていることも、いつの日にか否定されてしまう運命です」
 「ゆえに、村人の皆さんは自分の科学素人なりの直感を判断基準にして行動すべき、という理屈になります」
 「この主張に論理の飛躍などありません」
 「論理の飛躍を見つけた人は科学リテラシーが低い人、という定評になります」
 「以上で、ニセ科学問題に中立な私の意見表明を終えます」

 聞き終えた村人たちは、ニセ科学批判者たちの話を信じなくなりました。
 おかげでニセ科学推進者のインチキ商売は成功に終わりました。

 【教訓】このように、「ニセ科学問題においては中立の傍観者です」と名乗る人たちの中には、
 「ニセ科学問題など、どうでもよい。とにかく私は、自分が気にいらないニセ科学批判者たちを貶すだけ」というタイプの論者が紛れ込んでいます。
 それを見極めたうえで話を聞いてあげましょう。