創作小話『モヒカン的な論者たちとの議論で一人勝ちしたと述べる者』

 その村には、「科学的な議論ができない人」「有意義な議論が形成できない人」「詭弁を使ってでも議論に勝とうとする人」という評判のAさんが居ました。

 面白くないと思ったAさんは、「本当の自分はすごい論者なんだぞ」というアピールを村の広場で実行しました。
 「昨日のできごとですが、私はモヒカン的な論者たちが住んでいる村に赴いて、片っ端から論破してあげました」
 「いやあ、そのときの私の勇壮な姿を見せてあげたかったですね」

 それを聞いた村の人たちは、感想を述べました。
 「ならば、そのときの議論がどんなものだったのか、今ここで内容を話せばよい」
 「そうすれば、我々はAさんの勇壮な姿を確認できる」

 Aさんは、「それなんですが、あのときの議論がどんなものだったか、すべて忘れてしまいました」と言って、急いで広場から去りました。

 【教訓】この話は、自分の評判を無理に上げようとして有りもしない実力を声高に宣伝すればかえって評判が下がるという現実を明らかにしています。