その主人公であるAさんは、「世のすべてのニセ科学批判者たちを相手にした議論で一人勝ちできる秘策」を思いつき、急いで巻物に記しました。
「これは、とっても大事なものだから、誰にも知られないように家の裏山に埋めておこう」
そのように考えたAさんは、巻物を裏山に埋めました。
しかし、心配性のAさんは、それから毎日様子を見に行きました。
「よしよし、今日もちゃんと埋まっているな」
それを遠くから見ているBさんが居ました。
家と裏山をひっきりなしに往復しているAさんの姿を不思議に思ったBさんは、ある日こっそりとついて行きました。
そこでAさんの秘密を知ったBさんは、Aさんが居ないうちに埋めてあった巻物を掘り出して、失敬しました。
Bさんの正体は、泥棒でした。
Aさんは、大切な巻物が無くなっている状況を見て、大いに嘆きました。
それを聞きつけたCさんは、同情してあげようと思いましたが、
ことの次第をAさんから打ち明けられると、Cさんは冷静な声でアドバイスしました。
「それならば、今度は『なんの生産性もないダメなニセ科学批判批判』を巻物に記し、それを裏山に埋めるとよい」
「今まで埋めていた巻物も役に立てることはなかったのだから、同じことだ」
【教訓】この話は、せっかく役に立つニセ科学批判批判を思いついても、実際の運用が上手くなければ失敗に終わるという現実を明らかにしています。