創作小話『だめなニセ科学批判批判を述べていた人と、空飛ぶスパゲッティ・モンスター』

 Aさんが、だめなニセ科学批判批判をブイブイ云わしながらネット上を歩いていました。
 モヒカン的な思考の論者が集まるログを見つけたAさんは、なんのためらいもなく訪れようとしました。

 それを見た空飛ぶスパゲッティ・モンスターは、Aさんを引きとめました。
 「これこれ、自分から吊るし上げの目に遭おうとしてはいかん」
 「そうなったならば、お前は自分の不注意が原因にもかかわらず、私に責任を転嫁するに決まっておる」

 【教訓】これは、自分の不用意な言動で読者たちからの批判が殺到したときに、「自分は悪くない、○○が悪いんだ」と言って、責任を他の物に託そうとするタイプの論者に聞かせてあげるお話です。

創作小話『良いニセ科学批判批判もしていたブロガーと、苛烈なニセ科学批判者』

 Aさんのブログが、苛烈なニセ科学批判者のターゲットになりました。
 Aさんは、自己弁護しました。
 「つい先日、私は良いニセ科学批判批判の記事を公開して、多くの読者から賞賛されました」
 「それなのに、あなたは私のブログにあるささいな科学的間違いを取り上げて、これでもかというほどの批判を展開しようとなさっています」
 「あんまりな仕打ちではありませんか?」

 苛烈なニセ科学批判者は答えました。
 「Aさんの言うことには、一理あります」
 「しかしながら、Aさんは長年にわたって、ダメなニセ科学批判批判を公開し続けていました」
 「その行為を、Aさんは恥じるどころか、誇ってさえいました」
 「このAさんの言動を鑑みるに、私が批判をやめる理由は一つもないという結論になります」

 【教訓】これは、「良いニセ科学批判批判は少しだけ、だめなニセ科学批判批判は量産する、それでも自分のことを良いニセ科学批判批判者だとアピールする」
 というタイプの論者に聞かせてあげるお話です。

創作小話『小物を名乗るブロガーと、苛烈なニセ科学批判者』

 苛烈なニセ科学批判者であるAさんが、Bさんのブログにニセ科学擁護の記事を見つけたので、批判しようとしました。

 Bさんは、「これしきのことで炎上させられてはかなわん」と思い、急いで釈明を始めました。
 「私が書いた記事には、批判する価値などありません」
 「なにしろ私は、ネットの片隅で細々と記事を公開している、ただの泡沫過疎ブロガーなのですから
 「しかも悪意はなく、無知ゆえにニセ科学を擁護したにすぎません」
 「ところで、この地球上には、銭もうけのためにニセ科学を声高に擁護して、大いに世間を騒がしている人たちが居ます」
 「ゆえに、私のような小物は無視して放置して、その大物たちの科学的な間違いを批判するべきという結論になります」
 「どのように思われますか、この釈明の仕方は」

 Aさんは答えました。
 「科学的な間違いを批判するときに、小物も大物もありません」
 「自分の観測範囲に入った科学的な間違いを、正しいものに直す。それだけのことです
 「なお、その大物とやらの科学的な間違いも、とっくに私は批判しています。あなたが知らないだけです」

 【教訓】これは、苛烈なニセ科学批判者の場合、対象の科学的な間違いの大小にこだわらず、
 とにかく発見したら直ちに批判を実行するという現実を教えています。

創作小話『新人のムラビト的論者と、ベテランのムラビト的論者たち』

 新人のムラビト的論者であるAさんが、なにげなくニセ科学擁護の記事を書きました。

 モヒカン的論者に発見されてツッコミをもらったAさんは、初めてのプチ炎上に動揺し、わめきました。
 ファミコンゲームの『シャドウゲイト』に登場する「しんのゆうしゃ」風に、わめきました。
 「ぎゃあああ!? で、でたあ!? ネットモヒカン族だあ!?」
 「うげえ!? とてつもなく、冷徹なやつらだあ!?」
 「どうしたらいい!? どうしたら、ROMに帰ってくれるんだあ!?」

 それを見たベテランのムラビト的論者たちは、感想を述べました。
 「やれやれ、少しツッコミをもらっただけで、そんなにあわてふためくとはね」
 「何十年にもわたってモヒカン的論者から修正され続けている私たちの立場と同じになったら、いったいどうするつもりなんだい」

 【教訓】これは、ネット上の議論で他人から初めてツッコミをもらって、必要以上に気落ちしている新人の論者を励ますための、たとえ話です。

創作小話『悪しき相対主義者とニセ科学批判批判者の申し出を断ったブロガー』

 その悪しき相対主義者とニセ科学批判批判者の二人は、なにかを成し遂げて世間に名を広く知らしめたいと考えました。

 そこで、科学リテラシーの低そうなムラビト的ブロガーのところに行って、自分たちの賢さをアピールしました。
 「私たちは、よそで行われているニセ科学問題の議論に横からいっちょ噛みして、常に完全勝利を収めてきた者です」
 「ゆえにこれからは、ニセ科学的な商品を売りつけてくる口のうまい詐欺師から、あなたを守ってあげます」
 「私たちの熱烈な支持者となって、ブログ上で私たちの名を広く宣伝してください」

 ムラビト的ブロガーは、そっけない口ぶりで言いました。
 「お断りします」
 「わざわざあなた方を頼らなくても、世のニセ科学批判者たちがとっくに詐欺師と対峙しています」

 【教訓】これは、「論者としての信頼を地道に築きあげる作業なんて面倒です」というスタンスの人に聞かせてあげるお話です。

創作小話『疫学は酸っぱいと言ったキツネ』

 空腹のキツネが、『疫学の木』を見つけました。
 その実をキツネは取ろうとしましたが、どうしても前足が届きません。

 あきらめたキツネは、くやしまぎれに言いました。
 「あの疫学の実は、酸っぱくて不味いにちがいない」
 「あんなものを身に入れなくても、ぼくは専門家と対等に議論できる気力を十分にもっているのさ」

 【教訓】この話は、疫学の知識を持ったニセ科学批判者に議論をふっかけて返り討ちにあっても認めず、
 「疫学の見地で医療を語るのはだめ、素人の直感こそ頼りになる、なぜならば、疫学素人の僕がそのように直感しているから」
 という論理で開き直る人に聞かせてあげるとよいでしょう。
 
もちろん次のタイプの人に聞かせてもよいです。
 「自分が考えることは常に正しい、自分がネット上で公開する発言も常に正しい、そんな自分に反論してくる人たちはみんな的外れという理屈になる」

創作小話『アリとキリギリスとニセ科学批判批判的なエサ』

 夏のあいだ、キリギリスは好きほうだいに【ニセ科学批判批判的なエサ】を消費していました。
 アリは、【ニセ科学批判批判的なエサ】を地道に蓄えていました。

 冬が来て、キリギリスは【ニセ科学批判批判的なエサ】を消費しつくして、ひんしの状態になりました。

 キリギリスは、アリに【ニセ科学批判批判的なエサ】を分けてほしいと頼みました。
 アリは、アドバイスしました。
 「夏に【ニセ科学批判批判的なエサ】を消費していたのならば、冬は【ダメなニセ科学批判批判的なエサ】を消費すればよい」
 「そのエサならば、山ほど見つけることができる」

 キリギリスは、「さすがの私でも、それは消費できない」と言って断りました。

 意識が遠くなりながら、キリギリスは言いました。「これでいい、私は太く短く生きることを、自ら選択したのだから」

 すべてを見ていた空飛ぶスパゲッティ・モンスターは、キリギリスを哀れに思い、ちからつきた場所に墓標を建ててあげました。

 《ニセ科学批判批判的なエサを無計画に消費したキリギリス、ここに眠る》

 【教訓】これは、ニセ科学問題の予備知識を十分に蓄えたうえでニセ科学批判批判を放ってあげましょうという話です。

創作小話『ブログを見せ合ったロバとキツネとライオン』

 ロバとキツネとライオンが、自ブログを見せ合いました。

 ロバは、ライオンに向かって言いました。
 「私のブログには、科学的に間違っている記事など、ひとつもありませんよ」
 「善意のデマを無邪気に拡散する、そんじょそこらの科学リテラシーの低い一般ブロガーたちとは、格が違うのですから」

 それを聞いたライオンは、ロバのブログの過去記事をすべて読みました。
 科学的に少し間違っている記事を、ひとつ発見しました。
 ライオンは大いに怒り、ロバのブログを散々に叩いて閉鎖に追い込みました。

 ロバ:「え? はへ? ちょ、ちょっと待ってくださいよ、ほんの小さな間違いにすぎないじゃないですかって……りりり、りふじんなぁ!」

 今度はキツネの番になりました。
 キツネは、ライオンに向かって言いました。
 「ぼくのブログには、科学的に間違っている記事が山ほどあります、どうぞご鑑賞ください」

 ライオンは、感心しました。
 「その素直な応対、どのようにして覚えたのか?」

 キツネは答えました。「はい、ロバくんの消え方からです」

 【教訓】この話は、自分の科学的間違いをはやめに認めると相互理解に至るスピードもはやくなるということを教えています。

創作小話『小さな科学的間違いを見逃してくれと言った者』

 科学的に間違ったブログ記事を書いたAさんは、苛烈なニセ科学批判者に発見されたので、お願いしました。
 「この記事は、ほんの小さな間違いしか含まれていません」
 「近い将来に、もっと大きな間違いが含まれた記事を書くと思いますので、今回は見逃してください」

 苛烈なニセ科学批判者は答えました。
 「あなたが近い将来に大間違いの記事を書くというのは、ありそうな話です」
 「というわけで、あなたの科学的な間違いが小さい今のうちに、徹底的に批判して正しておきます」

 【教訓】この話は、ニセ科学が社会に広くはびこる前の小さな芽の状態で摘んでおけば、ニセ科学批判の労力が比較的すくなくて済むという現実を明らかにしています。

創作小話『強固なニセ科学擁護者と新人のニセ科学批判者』

 その新人のニセ科学批判者であるAさんは、強固なニセ科学擁護者を優しく粘り強く、
 遠まわしに間違いを指摘して、自覚的な正解に導いてあげようと頑張っていました。

 長い対話の末に疲弊したAさんは、「私の能力では、説得は不可能だ」と判断しました。
 対話を打ち切ったあとのAさんは、満足な気持ちが出てきました。
 「あのニセ科学擁護者の主張のダメな部分を、聴衆に対して明らかにできた、これも立派な成果だ」

 しかしながら、なにか納得できない自分が居たので、天に向かって言いました。
 「空飛ぶスパゲッティ・モンスターよ、あなたは理不尽な御方だ」
 「私が頑張って対話を続けていたときは失望感を与え、」
 「対話を中止したとたんに満足感を与えるとは」

 【教訓】これは、強固なニセ科学擁護者との対話は早めに終わらせると失望感が比較的すくなくて済むというお話です。