創作小話『食に関する炎上芸を悔やんだブロガー』

 その泡沫ブロガーであるAさんは、有名ブロガーになる方法を考えました。
 「食に関する変な記事を書けば、ニセ科学批判者たちから総ツッコミが来るにちがいない」
 「そうなれば、アクセス数が大幅に増えて、泡沫ブロガーから脱却できる」

 さっそくAさんは、変な記事を書いて公開しました。
 『あのモンサントの語源は、ポケモンのサンドパンである』『理由:語呂が似ている』
 「よしよし、飛躍した論理の主張に仕上がったぞ、これを無視できるニセ科学批判者は居ないだろう」

 その後、アクセス数はほとんど増えませんでした。
 というのも、ニセ科学批判者たちは「手袋でおにぎり握るのは愚の骨頂」という話題にツッコミを入れることで忙しく、
 Aさんの記事は二の次と判断したのでした。

 それを知ったAさんは、失望しました。
 「空振りになると予め分かっていたならば、変な炎上芸など実行しなかったのに」

 言い終えたAさんは、ブログを閉じてネット上から消えました。
 以上、「食に関する炎上芸を悔やんだブロガー」というお話でした。

 (この記事は、以下の「はてなブックマーク」を参考にして作りました)
 はてなブックマーク - 日本のマザー・テレサ「手袋でおにぎり握るのは愚の骨頂」│NEWSポストセブン

創作小話『強い科学リテラシーを持った人』

 村の外れを歩いていたAさんは、「私が売るニセ科学製品は万能です」と主張する流れの詐欺師と出会いました。
 話を信じたAさんは、ニセ科学製品を購入しました。

 その後、騙されたと知ったAさんは、去っていく詐欺師に向かって叫びました。
 「お前は私の懐から銭をうばったが、かわりに私の懐には強い科学リテラシーが宿ったのだぞ!」

 【教訓】この話は、詐欺の被害をばねにして成長を誓う人は必ずニセ科学批判者になるということを教えています。

創作小話『ウサギと銭持ちのキツネ』

 ウサギがキツネに問いました。
 「あなたは森で一番の銭持ちだと豪語していますが、それは本当の話ですか」

 キツネは答えました。
 「ああ本当さ、ぼくの家に来れば分かるよ」

 ウサギはキツネの家を訪れましたが、銭は見当たりませんでした。
 そのかわり、ニセ科学的な製品がたくさんありました。

 それを見たウサギは、自分の置かれた状況を理解しました。
 「なるほど、こうしてまんまとカモになった私は、自分の財布からキツネさんに銭をほいほいと差し出すわけですね、見事な誘導の仕方です」

 【教訓】この話は、詐欺師の話に信じてついて行くと、いつの間にか自分の銭が大量に減っているということを、例えています。

創作小話『キツネとニセ科学的なイバラ』

 ニセ科学的なイバラを見つけたキツネは、飛び越そうとしましたが、
 転びそうになったので、ニセ科学的なイバラにしがみつきました。
 キツネは痛い思いをすると同時に、持っている銭をすべて取られました。

 キツネが抗議すると、ニセ科学的なイバラは反論しました。
 「このぼくは、どんな相手でも引っかけるんだよ」
 「そんなぼくに、自分からしがみついてくるなんて、不注意もいいところなんだよ」

 【教訓】この話は、一見すると魅力的に思える製品であっても、売り文句がニセ科学ならば避けたほうが無難ということを教えています。

創作小話『ニセ科学的な像を売ろうとした者』

 ある村に、流れの詐欺師が自分で作った『ニセ科学的な像』を携えてやってきました。
 詐欺師は村の広場で『ニセ科学的な像』を売り始めましたが、村人たちは見向きもしませんでした。

 というのも、その村には前日に流れのニセ科学批判者がやってきて、「科学的な思考がどうの、懐疑主義がこうの」と演説をぶっていたために、
 「そんな思考方法もあったのか」と村人たちは夢中で聞き入れ、演説が終わる頃には高い科学リテラシーを身に着けていたのでした。

 それを知らない詐欺師は、懸命に売り文句を叫びました。
 「このニセ科学的な像は、万能効果がありますよ! 持っているだけで、信じられない効果が出ますよ!」

 それを聞いた村人の一人が、指摘しました。
 「それほどすごい効果があるのなら、そのままご自身で所持していたら良いのですわ。他人に売りつけている場合ではないのですわ」

 詐欺師は粘りました。
 「いや、私は効果を十分に堪能して幸せな気持ちになりました、この幸せをおすそわけしたくて…」
 村人は、詐欺師を哀れみました。
 「かわいそうな人。他人だけでなく、自らも欺いて一生を終えるのね」

 それを聞いた詐欺師は、失望しました。
 「この村では万能を謳っても食いつく者が居ない、これ以上の長居は費用対効果が悪い、別の村に移動だ」

 【教訓】この話は、科学リテラシーの高い人に万能効果が謳われた品を見せても、事細かく吟味された末に購入されないという現実を明らかにしています。
 これをニセ科学推進者の大半が承知しており、万能効果を鵜呑みで信じてくれそうな人々に絞って売り込みを仕掛けます。

 また、古株のニセ科学批判者たちの多くが、「科学的な思考を軽視するニセ科学推進者と対話しても相互理解は無理、懐疑主義を知らずニセ科学を絶対に正しいと信じている人と対話しても説得は困難、ゆえに半信半疑くらいの人に語りかけよう、それがリソースを効率よく使用するニセ科学批判活動だ」というスタンスを採用しているのも、こうした事情があるゆえなのです。

創作小話『ニセ科学推進者によって破産に追い込まれた者』

 Aさんのブログに、ニセ科学推進者が現れて言いました。
 「このニセ科学製品は、万能です」
 「値段は高いですが、なにしろ万能ですので、費用対効果がすごいです」

 Aさんは、ニセ科学製品の万能性に感動して、大量に購入しました。
 その後もカモにされ続けたAさんは、破産しました。

 己の辿ったありさまを客観的に分析したAさんは、真実に気づき、怒りを抑えつつ、決意を表明しました。
 「ニセ科学製品につぎ込んだ銭は、高い勉強代だと思うことにした」
 「いまからぼくは、すべてのニセ科学をdisり倒すことに決めた」
 「このぼくは、ニセ科学が自分の全リソースを費やして憎むべき対象であることを、今日思い知ったんだ
 「ああそうだ、小さな科学的間違いも見逃さずに拾って修正してあげるよ……徹底的にね!」

 ある傍観者:「Aさん! 憎しみからは何も生まれないのよ! 批判的思考を頼りに、生き延びるの……」

 【教訓】このように、幸せな気持ちでニセ科学に接して日々を暮らし、しばらくして幻の幸せであることを悟って気落ちしたあとの人間は、ニセ科学批判の日々に希望を見いだすのです。

創作小話『科学リテラシーを研鑽していたイノシシとキツネ』

 イノシシが、科学に関する教科書を山ほど読んでいました。
 「自分の科学リテラシーを、どんどんレベルアップするのです」

 それを見たキツネは、不思議に思って問いました。
 「いまのところ、モヒカン的な論者から狩られる心配はないのに、どうして科学知識を詰め込むのですか」
 「そんな作業で時間を消費するよりも、」
 「狭い書斎の真ん中に安楽椅子を置いて、ネットの画面に向かって好きに放言して、ドヤ顔を決めて寝る日々が、楽でいいですよ」

 イノシシは答えました。
 「たしかに、いまは平穏無事の生活だけれど、明日も同じとは限りません」
 「それに、脅威はモヒカン的な論者だけではありません」
 「私の懐の銭を目的として話かけてくるニセ科学推進者も、警戒しておくべきです」

 【教訓】これは、いつの日にか面倒な目にあって疲弊する事態を想定し、読書の時間があるうちに科学リテラシーを高めておけば安心感が増すという話です。

創作小話『カラスと水差しと科学リテラシー』

 そのムラビト的な論が好きなカラスは、新たな境地の学びを渇望していました。
 すると、【科学リテラシー】が入った水差しを見つけました。
 「科学リテラシー? なんじゃそら? マテバシイの、一種か?」
 と言いながら吸い出そうとしましたが、
 【科学リテラシー】は水差しの底近くにあり、くちばしが届きません。

 しばらく考えたカラスは、小石をいくつか入れて、【科学リテラシー】を水差しの口まで上げることに成功しました。

 【科学リテラシー】を飲んだカラスは、ニセ科学批判ができるようになりました。

 【教訓】これは、最初は難しく見えた科学リテラシーの概念も諦めずに頑張れば思考に吸収できるという話です。